【東の東大/西の宝塚】宝塚音楽学校を受験するためには?倍率や学費、制服、受験資格、偏差値について徹底解説

宝塚歌劇の舞台に立つタカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校。

春になるとテレビ番組で合格発表や入学式、卒業式の特集が組まれ目にする人も多いと思います。

「東の東大、西の宝塚」と呼ばれ、高倍率で非常に難関としても有名です。

受験生たちは、いつかは宝塚音楽学校の制服に袖を通すことを夢見て日々レッスンに励んでいます。

ずかにゃん

音楽学校の制服がかわいいと話題になったこともあったよね!今回は憧れの宝塚音楽学校の制服も紹介するよ!

音楽学校は予科と本科の2年間で、朝から夕方までビッシリ授業が詰まってるの。授業が始まる前のお掃除も厳しくて掃除する場所が各々で決まっていて、掃除の手順も掃除用具の使い方や仕舞い方に至るまで厳しくルールが定めらているんだよ!すべてを決められた時間の中でこなさないといけなくて、丁寧にやり過ぎて間に合わなかった…早く終わってしまった… などは許されないんだよ!

スミレ

今回の記事では宝塚音楽学校の受験情報を中心に、倍率や学費、制服、受験資格、偏差値などについてご紹介します!

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宝塚音楽学校とは?

タカラジェンヌとして宝塚大劇場・東京宝塚劇場の舞台の上に立つためには、宝塚音楽学校で予科・本科合わせて2年間、歌唱や舞踊、演劇などのレッスンを受ける必要があります。

創立者・小林一三による「朗らかに、清く、正しく、美しく」の教えに基づき、礼儀作法やマナーも厳しく、早朝から予科生が稽古場を丁寧に掃除していることでも有名です。

宝塚音楽学校の前身、宝塚唱歌隊が発足したのは1913年(大正2年)7月、正式に「宝塚音楽歌劇学校」となったのは1918年(大正7年)のことでした。

その後、「宝塚音楽舞踊学校」、「宝塚音楽学校」と改称され、現在に至ります。

2013年(平成25年)に創立100周年を迎えました。

一貫して宝塚歌劇団の団員はすべて宝塚音楽学校の卒業生で組織され、創立100年以上に亘り約5000人の卒業生を宝塚の舞台へ送り出してきました。

宝塚音楽学校は、憧れの宝塚歌劇の舞台に立つために、どうしても通過しなければならない青春の門です。

予科・本科の2年間、あの華やかな夢の舞台を支える力となるために、音楽や舞踊、演劇といった芸能の基本はもちろん、舞台人としての心得もしっかり学びます。

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宝塚音楽学校の競争倍率|最高倍率は驚異の48.2倍

宝塚音楽学校の倍率は、例年20〜25倍です。

約40名の人員枠に対して1000名前後が受験します。

1960年代までは平均3倍程度でしたが、1974年に『ベルサイユのばら』が上演され宝塚ブームが巻き起こり、宝塚音楽学校の倍率が急速に上昇し「東の東大/西の宝塚」と呼ばれるほど難関化しました。

史上最高倍率は1994年度(82期生)入学試験の48.2倍でした!

82期生には、蘭寿とむ(元花組トップスター)や壮一帆(元雪組トップスター)、紺野まひる(元雪組トップ娘役)がいます。

その中で蘭寿とむは、入学から卒業まで一度も首席の座を渡さなかったことでも知られています。

2004年度以降は受験者数が減少し20倍前後を推移していましたが、2009年度は受験者数が増加し、倍率が27.65倍まで跳ね上がりました。

この年に受験者が急増した最大の理由は、少子化に伴う受験者数の減少と、入学前にスクールで稽古を積まなければ合格できないというイメージから、受験生がスクールのある都市部に偏り、地方出身者や未経験者が挑戦しにくい状況を是正するために、2009年度の入学試験より試験内容を大幅に変更したことにあります。

一次試験にあったバレエと声楽の実技を廃止し面接のみに変更し、二次試験で初めて歌唱(課題曲・新曲視唱)と舞踊の実技試験が課されようになりました。

つまり受験時の完成度ではなく、素質と将来性を重視した試験へ転換したことによって同年の受験者が大幅に増えました。

しかし、試験内容が変更になり初めて入学した97期生は、音楽学校入学時に40名いた生徒が途中で4名が退学になり、2名が留年(後に退学)、2名が入団1年目で退団、さらに3名が2年目で退団したことによって、将来性を重視した方針が生徒の実力不足を生み、早期の大量離脱に繋がったのではないかと言われています。

それでも以後は例年1000名前後が受験し、倍率は25倍程度を維持していますが、2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、受験志望者が減少し、2017年度(95期生)以来、17年ぶりに20倍を下回る今世紀に入って最少となる17.4倍でした。

2000年以降の受験者数・合格者数・倍率・主な生徒

入学年(期) 受験者数 合格者数 倍率 主な生徒
2000年 88期 1006 50 20.1 朝夏まなと、紅ゆずる
2001年 89期 973 50 19.46 明日海りお、望海風斗、美弥るりか
2002年 90期 988 50 19.76 冴月瑠那、瀬戸かずや、蒼乃夕妃
2003年 91期 1020 50 20.4 愛加あゆ、野々すみ花
2004年 92期 1066 50 21.32 真風涼帆、鳳月杏
2005年 93期 984 50 19.68 彩風咲奈、芹香斗亜
2006年 94期 963 47 20.48 珠城りょう、仙名彩世
2007年 95期 863 45 19.17 礼真琴、柚香光、月城かなと、朝美絢、愛希れいか、妃海風、実咲凜音
2008年 96期 854 40 21.35 花乃まりあ、咲妃みゆ、綺咲愛里
2009年 97期 1106 40 27.65 永久輝せあ、蓮つかさ、綺城ひか理、海乃美月
2010年 98期 1028 40 25.7 暁千星、真彩希帆
2011年 99期 940 40 23.5 美園さくら
2012年 100期 924 40 23.1 華優希、星風まどか、聖乃あすか
2013年 101期 881 40 22.02 縣千、鷹翔千空
2014年 102期 1065 40 26.62 舞空瞳、彩海せら、天飛華音
2015年 103期 1063 40 26.57 白河りり、夢白あや
2016年 104期 1079 40 26.97 都姫ここ
2017年 105期 1042 40 26.05 稀惺かずと
2018年 106期 965 40 24.12
2019年 107期 915 40 22.87
2020年 108期 852 40 21.3
2021年 109期 697 40 17.4

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宝塚音楽学校の受験資格

宝塚音楽学校は、受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業又は高等学校在学中の方、つまり15歳から18歳まで最大4回の受験が可能です。

また、容姿端麗で、卒業後宝塚歌劇団生徒として舞台人に適する女子であることが募集要項に明記されています。

試験内容

宝塚音楽学校の入学試験は、第1次試験から第3次試験までまで三段階に分けて実施されます。

第1次試験では、宝塚音楽学校または東京会場で、面接が行われます。

容姿、口跡、動作、態度、華やかさ等、宝塚歌劇の舞台への適性を審査され、30秒間で受験番号、年齢、身長、体重、出身地を面接官に伝えるだけの試験です。

これだけ聞くと簡単そうに見えますが、ここで1000名から200〜300名まで絞れることになります。

一次試験を突破しないと、一生懸命にレッスンを積んできた歌唱や舞踊の実技試験に進むことすらできない厳しい制度になっております。

第2次試験では、歌唱と舞踊の試験が実施されます。

歌唱試験では、課題曲の歌唱によって声量、声質、音程などを確認させるだけではなく、加えて新曲視唱で基礎的な読譜力を審査されることになります。

新曲視唱とは、その場で渡された楽譜を30秒間で確認し、メロディやリズムを正確に歌う試験です。

また、舞踊では、リズム感など基本的な運動能力や柔軟性、ならびに洋舞の適性を審査するために、本科生が模範演技(ダンス)を披露し、その場で振付を覚えることを受験生には課されます。

二次試験では約100名程度まで絞れ、第3次試験は宝塚音楽学校にで改めて面接と健康診断が実施され、最終合格者の約40名まで絞れることになります。

身長制限はないのか?

タカラジェンヌの高身長化が進む中で、宝塚音楽学校を受験するために身長制限はあるのでしょうか?

結論から申し上げると、募集要項には身長の制限に関する記載はありませんが、合格者の身長の傾向を見ると、最低でも160cmはあった方がいいでしょう。

もし男役を目指す場合は、168cm以上は欲しいというのが本音だと思います。

これ以下の場合は、よほど人目を引くスター性がないと厳しいのではないでしょうか。

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宝塚音楽学校の偏差値とは?

宝塚音楽学校に入学するためには20倍を超える高倍率の難関試験を突破しないといけないため偏差値が高いと思われる方も多いですが、法律上は兵庫県認可の各種学校のため、いわゆる一条校と呼ばれる一般的な中学校や高校、大学と異なるため偏差値が存在しません。

実際、宝塚音楽学校の入学試験には、学力試験がなく、合格するためには、いわゆる一般的な頭の良さではなく、タカラジェンヌになるために必要な個性や才能、熱意が求められます。

受験できるのは15歳~18歳までの4年間と年齢制限が設けられています。

そのためラストイヤーの受験生にとっては、青春の多くのこと犠牲にし、全てを捧げた宝塚音楽学校の受験であることから、ドラマが生まれやすくテレビ番組で特集が組まれることが多いです。

また、15歳~18歳であれば、受験資格があるので、本来は、自分より年下であっても、宝塚音楽学校では上級生となることは珍しくありません。

宝塚音楽学校では、年齢よりも入学年で上下関係がはっきり決まります。

つまり年齢より実力や経験が優先される世界なのです。

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宝塚音楽学校の学費(授業料)

宝塚音楽学校の通う生徒はどうしてもお金持ちのお嬢様が多いというイメージがありますが、実際の学費(授業料)はいくらするのでしょうか?

以下、宝塚音楽学校の学費です。

授業料 月額:5万円(2年間120万円)
入学金等 入学金20万円、教育施設費25万円、雑費3万円(入学時に納付)
入寮費 月額:15,000円
(自宅から通学できない生徒は入寮。入寮時に3ヶ月分を前払いで納入、以後は学校指定月に自動引き落としとなります。)

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これらに加えて、制服、靴、式服用緑の袴、レオタード類、ジャージ、楽譜などの教材の費用も必要になります。

少なく見積もっても2年間で200万円以上を学校に納めることになりますが、私立の高校や大学に通うことを考えると、一部のお金持ちしか通えないほど高い学費ではないことがわかります。

むしろお金がかかるのは、宝塚音楽学校を卒業してからだと言われています。

歌劇団に入団してからも、しばらくは一般的なOLくらいの収入であるため、自費で賄う必要がある舞台での小物類や化粧品、お稽古着、普段の衣類、劇団内での交際費など、一般的な女性より、ずっとお金がかかります。

そのサポートができるだけの家庭であることは大事かもしれません。

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宝塚音楽学校の制服

宝塚音楽学校の制服は、特徴的なグレーのフレアーのジャンパースカートに短めの襟無しジャケット、白いブラウスに赤い蝶ネクタイで、受験生なら誰もが憧れます。

入学式の様子は毎年、全国ニュースで報道されることから、一般の人にもよく知られた制服でもあります。

制服は合格発表の後に実施されるガイダンスで採寸され、校舎外ではグレーの帽子を着用し、夏服はブラウスが半袖になり、冬場にはグレーのコートが加わります。

この制服は1956年(昭和31年)に、歌劇団の衣装デザイナーだった静間潮太郎氏がデザインされました。

以後、白いブラウスの襟や袖などにマイナーチェンジはあったものの一貫して着用さています。

しかし、当時は、制服というよりも標準服として扱われていました。

なぜなら宝塚音楽学校の生徒の代名詞と言えば、袴姿であったためです。

そのため現在の制服が制定された当時は、一部で反発もあったそうです。

それが現在では受験生の憧れになっているので不思議なものです。

また、当時の代名詞だった袴姿も、現在も正装として宝塚音楽学校の卒業式などで見ることができます。

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まとめ

ここまで宝塚音楽学校の受験情報を中心に、倍率や学費、制服、受験資格、偏差値などについてご紹介しました。

長い歴史の中で、伝統を守りながら時代に合わせて試験内容も変化しました。

しかし、一貫して言えるのは、「東の東大/西の宝塚」と言われるように、毎年倍率が25倍にも及ぶ超難関校であることは間違いありません。

ずかにゃん

将来のタカラジェンヌとしての素質や将来性が重視されるようになっても、やっぱり多くの受験生がたった4回しかチャンスがない宝塚音楽学校の受験のために声楽やバレエ、ピアノなど様々なレッスンに励んでいるのが実情だよね!競争倍率25倍の試験に合格するためには並大抵の努力では絶対に受からないと思う。

その通りだと思うよ。テレビ番組で受験生が特集されることが多いけど、みんな本当に努力してるよね。青春の全てを宝塚音楽学校の受験に捧げてる受験生も多くて、本当に尊敬するわ。

スミレ